地元の人たちから「南とこは特別や」と言われるほど地域に溶け込んでいるご夫婦。
ご主人の秀明さんは地元材を使って指物師(さしものし)をされています。
指物師とは・・・タンス、長持、机、箱火鉢など板を組み合わせてつくる木工品の専門職人のことを言います。
奥さまの美樹さんは繊細な芸術家である秀明さんをそばでしっかり支えています。
おふたりにお話を伺ってみました。
秀ちゃん(ご主人)は奈良県吉野郡の人なんです。九州で修業して静かなところで工房を持ちたいって考えてたら友達がこの町を紹介してくれました。
私は名古屋のど真ん中で育ちましたが、父が山登りが好きで山にもなんども連れていってもらったし、いつも山岳関係の人が出入りする環境だったので田舎暮らしに抵抗はありませんでした。
道ですれ違った人と知り合いになるとか挨拶しただけで親しい人がたくさんできるとか、そんな経験は都会ではできないです。
子育てするなら絶対田舎がいいと思いました。
私たちは神川に来て3人の子供を育てました。この町は子供が少なくて同級生はいないけど自然の中で育って、釣りが好きになって心豊かな子供に育てることができたと思ってます。
実は、釣りをするために学校を休んだこともあるんです(笑)
子供は3人とも熊野で生まれ熊野で育ちました。
育児に関する補助はいろいろあったので中学を卒業するまでは助かったけど、本当にお金がいるのは高校・大学に入ってから。
例えば通学費 高校に通う通学費は市の補助事業として1/3の補助があって助かりましたが、2人同時に高校に通ってたころは補助があっても1人8,000円必要なので2人分で月16,000円の出費には苦労しました。
南さんはよく展示会をされてますが
秀明さん
依頼を受けた展示会には参加するのでたくさんやってます
でも中々、商売に繋がらない。田舎では菓子皿一枚に2000円ものお金は支払うことは少ない。
都心のデパートや複合施設の展示会や販売だったら地元の倍以上の値を付けることができます。
都心での展示会にはどうやって参加するようになったんですか
デパートでの展示会に参加させてもらう為に何度も交渉しました。
参加した展示会も売り上げの成績が良くないと次はありません。
これは厳しい現実です。
実績を作りながら次々と展示会場を増やしていく。
自ら道を切り開いて都心での展示会を勝ち取る感じですね。
地元の図書館のベンチなんかも造ってますよね
新築の家の家具とか公共施設のベンチなどの依頼もあります。これは棟梁や地域の人との繋がりで得られたものです。
都心での展示会地元での仕事も常に人と人との繋がりや努力だと思ってまいす。
南さんについて